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ハーメルンの笛吹き男
友達から紹介を受けて興味を持ったので読んでみた。本自体を紹介されたのでは無く、著者の阿部謹也氏の言葉が引用されている新聞の切り抜きを見せてくれた。

曰く「小泉首相の言葉が空虚なのは理念や理想が欠如したまま語られるから」であり、それを日本人が受け入れてしまうのは「私たち日本人全体が理念や理想を必要と思わず、今もって“社会”ではなく“世間”の中で生きているから、にほかならない」から(天声人語9.16より)

「社会でなく世間の中で」

今の日本社会を完璧に言い当てている言葉に出会い驚いていると、どうやら紹介してくれた友達もこの部分が大きく印象に残っていたようだ。この中で「世間」とは「金、名誉、義理などへの関心でできた社会」とされているが、これこそ、日ごろ俺が忌み嫌う「真の意味を持たないもの」そのものである。

ここで言われる「世間」で生きている以上、人はその関心をある種のスタンダードに自分を適応させることのみに集約され、個人が持つ内面や意見や意味そのものは無視される事になる。「世間」とはある意味では人間の人格を奪うもの以外の何者でもない。

「ハーメルンの笛吹き男」はドイツに伝わる伝説から、中世ヨーロッパの社会を暴き、学校の歴史の授業では決して扱われないような、厳しい身分制度の下で生きるありのままの民衆の姿を読み取ることができる。

「鼠の被害に困っていたハーメルンの町にある男が現れ鼠を駆逐する代わりに報酬を要求する。男は笛を吹いて鼠を操り湖まで誘導して溺れさせ駆除した。しかし町の人間はいろいろな理由をつけて報酬を払う事を拒否した。すると男は笛を吹いて町中の子供達を操り、子供と共に山奥へと消えてしまった」ハーメルンの笛吹き男の伝説は大体この様なものだ。

庶民の厳しい暮らしから生まれ口頭で伝えられた伝説。農場主の支配から解放され自由であるはずの「都市」における、経済的な格差による身分差別。一方で甘い汁を続ける上流階級。そしてその体制を維持させるためにハーメルンの伝説は上流知識人に利用されるようになる。

もともと文盲だった庶民から生まれた伝説が、知識人によって都合のよい解釈が加えられ、それを再び庶民に浸透させるやり方など、現代にまかり通るやり方となんら変わらない。作品の冒頭に引用されている言葉が全てを言い当てている。「歌、詩、詞、曲は、私はもともと民間のものだと思います。文人がそれを取って自分のものとし、作るたびにいよいよ理解し難くしたのです。それを結局化石にしてしまうと、さらに彼らは同じように他のものを取り、またもや次第にそれらを殺してしまうのです」

スポーツや音楽やファッション、全てが特定の団体に吸い上げられ、形を変えて社会に再び降りてきた。そんな現代の変形させられた文化を嫌でも思い浮かべてしまう。小泉の、本来意味を持つべきなのに全く中身(議論)の無い、言葉のインパクトだけの政治、メディアと言う、市民が権力を監視するひとつのツールとしてのモノが、権力者に全く逆のものとして作り変えられた部分など、ハーメルンの伝説が作り変えられた事と何ひとつ変わらない。

こうして考えると天声人語に引用された著者の言葉の意味が理解できる。「世間」と言う、作り上げられた身分制度の中で安住することの馬鹿らしさが痛いほど伝わってくる。
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| books | 18:53 | トラックバック:1コメント:0
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【ハーメルンの笛吹き男】について
ハーメルンの笛吹き男ハーメルンの笛吹き男(ハーメルンのふえふきおとこ)はグリム兄弟を含む複数の作者によって記録された民話である。この民話は、おおよそ1284年6月26日に生じたと推定される、ドイツの街ハーメルンの災厄について伝えている。.wikilis{font-size:10px;c
| 童話大辞典 | 2007.03.10 Sat 15:55
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